近年、M&Aの需要が高まるにつれ、自分でM&Aの相手企業が探せるM&Aサイトが登場しています。登録するだけで、自分の希望する条件にマッチングした企業を自動で知らせてくれるため、手軽で人気が急上昇しています。
この記事では、M&Aサイト3つのそれぞれの特徴について解説します。
M&A業界が気になっている人も、ぜひ参考にしてください。
M&Aサイトとはどのようなもの?
M&Aは、仲介会社などを介して行われることが一般的ですが、近年M&Aの件数が増加したために、企業のマッチングができるサイトが複数登場し、人気となっています。
M&Aサイトは企業の経営者がサイトに登録すると、希望や条件に合った企業を自分で探すことができるプラットフォームです。
M&Aサイトを利用すると、企業同士の経営者が直接交渉をすることができるため、対面交渉に進むまでが短期間で、スピーディーに対応することができます。
M&Aサイトの特徴とは?
この類のサイトは、中小企業の経営者はもちろん、個人事業主も利用することができます。
M&Aサイトには大型の案件も登録されていますが、中小企業、個人事業主が買い手企業、売り手企業の検索をするために利用しているケースがほとんどです。
企業の経営者が会員登録をする際には、商業登記簿謄本などの企業に関する本人確認資料をアップロードする必要があります。
その資料を元に審査が行われ、審査が承認されれば利用が可能になります。
サイトの利用にあたっては、秘密保持契約をオンライン上で締結する必要があります。
ハンドルネームでの交渉が可能
売り手側も買い手側もプラットフォーム上でハンドルネームを使って交渉することができるのでプライバシーの保護ができます。
M&Aに関する情報は、企業に関わる機密事項が多いため、実名を開示しての交渉や、企業の詳細情報の提示は、非常にセンシティブなことです。
そのため、買い手側企業と売り手側企業の検索や、問い合わせなどの簡単なメッセージ交換の段階では、ハンドルネームを使用して交渉することが可能です。
実際に対面交渉に進む際、実名交渉となりますが、双方の合意で可能になります。それまでの交渉内容のメッセージ履歴や交渉にあたり前提条件があるので、よく理解をしたうえで実名交渉(ネームクリア)を行う必要があります。
交渉対象など詳細設定ができる
双方ともM&Aにあたり、業種、希望地域(都道府県や市区町村)、事業内容、事業規模などのニーズ設定や交渉対象の設定をすることができます。
売り手企業は、設定対象外の買い手候補からアプローチと受けることはできません。
買い手企業は、登録したニーズ条件にマッチした売り案件の情報がメールで配信されます。
コストを抑えることが可能
M&Aサイトには、売り手企業と買い手企業が直接登録した案件のほかにM&A仲介会社が登録した案件も掲載されてます。
企業が直接登録した案件であれば、M&A報酬は不要です.。M&A仲介会社の案件を希望する場合には仲介会社に報酬を支払う必要があります。
つまり、M&A契約がサイトの利用だけで成立した場合、サイトの利用料金以外の支払いは不要です。
対面交渉に進むのが早い
詳細設定を利用すると希望条件にマッチした企業が見つかりやすく、早い段階で直接対面交渉の機会を設けることがスピーディーに実現できます。
直接交渉ができるので、交渉もスムーズに進みやすく、2~3か月で契約成立まで至ることもあります。
M&Aサイトは利用料金は必要?
M&Aサイトは、基本的にどのサイトでも、会員登録料や月額利用料金は不要です。
そして、M&Aのプロセスが全工程終了し、譲渡契約が最終的に完了した後も、利用料金は一切かかりません。サイト側への報告義務があるだけです。
一方、買い手側には料金がかかります。
譲渡契約完了の後、案件成約の報告をすると請求書がサイト側から届きます。
案件成約の報酬は各サイトによってもまちまちですが、売買金額の2~5%が相場です。
成約時に支払う金額については、利用するサイトにお問合せください。
M&Aサイトに支払う料金について注意が必要なポイントは、売り手側であっても成約の報告をしなかった場合、各種罰則金が発生します。
買い手側ももちろん、報告義務を忘れると成約料金のほかに遅延金などの費用が発生するのサイトが多いので、スマホのリマインダー機能などを上手に利用して忘れないようにしましょう。
各M&Aサイトの特徴とおすすめ3選
M&Aサイトが増えている昨今、どれがいいのか迷ってしまう人も多いでしょう。M&Aサイトのポイントを重視して選びました。
M&Aクラウド
大手企業も登録していて出資先の企業を探しているため条件にマッチすれば大手の出資のもと、傘下に入ることが可能で、登録料無料、直接企業の担当者に合えるので、条件が合えばM&Aをスピーディーに行えることがポイントです。
売り手企業と買い手企業のマッチングだけをするプラットフォームなので、サポートは別途申し込みが必要です。
申し込みをすると、次のサポートがM&Aアドバイザーから受けられます。
売却・資金調達までのストーリー立案
バリュエーションの相場や業界事例
買い手との交渉の心得
その他お悩みごと
M&Aクラウドのアドバイザーは、資銀行や大手監査法人などの金融業界出身で、M&A経験者も多数在籍しています。
出典: M&Aクラウド「事業売却・資金調達の相談受け付けます」
M&Aクラウドの特徴
- 売り手企業は無料で使用できる
M&Aクラウドは、売り手企業は無料で利用することができるプラットフォームです。理由は、買い手側企業が、掲載するための広告料金と成約時の手数料を支払っているからです。
資金調達先も探せる
プラットフォーム上で、M&Aの相手先だけではなく、資金調達先の企業を探すこともできます。企業が事業拡大したり成長するには、資金が必要です。M&Aクラウドは、企業情報がオープンに掲載されているので、売り手企業にとって、自社にマッチした企業を探すことができます。
Batonz(バトンズ)
2022年成約数No.1を誇り、買い手のみが支払う成約時2%のコストは業界最安値、そして平均3か月の成約スピードは圧倒的です。業務提携機関や団体はメガバンク、証券会社、地方自治体などを含めて3,840機関にもおよびます。
バトンズもマッチングだけをサポートするプラットフォームなので、サポートを依頼するには別途申し込みが必要です。
登録すると専門家から次の支援が受けられます。
トータル支援
バトンズに在籍している専門家から売り手、買い手の代理として、M&Aの交渉・条件調整・最終契約のサポートをしてもらえます。
スポット支援
M&Aの交渉の過程で発生する企業評価、不動産鑑定、DD、契約書作成、資金調達、登記、人材、経営計画、事業再生、PMIなどを専門家からサポートしてもらえます。
バトンズの特徴
- 顧客開拓できる 会員数10万者超のバトンズWEBサイトを通して企業PRできます。
- M&Aが学べる、できる バトンズM&A大学を受講して、M&Aアドバイザーとしての実践力を習得できます。
- ビジネスが拡がる
バトンズにはM&Aに関連、付随して発生する3つのビジネス機会を提供します。
- 売り手・買い手の紹介ビジネス(紹介フィー)
- 専門分野を活かした支援ビジネス
- M&Aアドバイザリービジネス
出典: バトンズ公式サイト 「BATONZパートナープログラムの 3つの特徴」
M&Aサクシード
ビズリーチ運営と同じ企業のM&Aサイトです。法人限定のサイトで審査と通過した企業のみが利用できます。
東証グロース一部上場の企業が運営しているサイトです。全国8,000社のなかからマッチングする企業を選べます。
申し込みをすると担当のコンシェルジュから無料でサポートサービスを受けることができます。
また、専門知識を持ったコンシェルジュから次のサポートが受けられます。
- 希望を聞きながらサイトに匿名で掲載。
- 届いたメールから相談しながら候補企業の選定をサポート
M&Aサクシードの特徴
法人限定・審査制、匿名で掲載できる
サービスを利用できるのは、審査を通過した法人のみ。匿名で掲載でき、譲渡企業が開示してもよいと判断するまで社名が開示されない仕組みを採用しています。
ビズリーチを運営する東証グロース市場グループ企業が運営
M&Aサクシードは、ビズリーチを運営するVisional(※)のグループ企業であ、株式市場から信頼を得た事業運営を行っています。※東証グロース市場に上場
成約するまで無料
譲渡先探しを納得いくまで
納得の一社に出会っていただくため、着手金・中間手数料は一切ありません。譲渡先とご成約に至るまで無料で利用できます。(完全成功報酬制)
まとめ
M&Aサイトは、登録すれば、売り手企業は無料で利用できるプラットフォームです。相手企業と直接交渉ができるため、対面交渉までがスピーディーに進み、成約まで平均3か月、早い企業なら1か月でのM&A成立が可能です。
マッチングのみに使えるので、デューデリジェンスは別途、専門家に依頼する必要があります。コストを抑えてスピーディーにM&Aが行えることと、買い手企業だけが成約時に報酬を支払う仕組みのサイトが多いため、コストを抑えてM&Aができます。
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